教育機関で認められる音楽の利用のしかた

著作物等の利用の実態と必要性に鑑み、「権利制限」として、営利を目的としない教育機関においては、授業の目的で必要と認められる範囲内で、市販CD等を含む著作物等を複製(コピー)することやインターネット等で公衆送信することができます。ただし、公衆送信する場合は原則的に補償金のお支払いが必要です。

教育機関で認められる著作物等のコピー(権利制限)

著作権法は一定の条件を満たす場合の著作物等の複製について、「学校その他の教育機関における複製等」として「権利制限」の対象と認めています(著作権法第35条1項、第102条第1項)。

条件とは、

  1. 営利を目的としない学校その他教育機関であること
    • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校など、継続的に教育活動を営む非営利の教育機関が該当します。予備校やカルチャースクール、企業や団体等の研修施設等は該当しません。
  2. 授業の過程における使用に供することを目的とすること
    • 「授業」には、初等・中等教育(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校等)における部活動や生徒会活動、運動会などが含まれます。一方で、学校説明会や保護者会、高等教育(大学、専門学校等)でのサークル活動などは授業に含まれません。
  3. 必要と認められる限度内であること
    • コピーしたものを授業に関連しない参考資料として使用することはできません。また、当該授業の履修者等の合計数を超える数をコピー、公衆送信することはできません。
  4. 授業を行う教員や、児童・生徒等授業を受ける者自身が自らコピーすること
  5. 既に公表された著作物等であること
  6. 原則として著作物等の題名、著作者等の名称などの「出所の明示」をすること
  7. 著作物等の種類や用途などから権利者の利益を不当に害することにならないこと

学校その他の教育機関における著作権の複製等に係る権利制限の詳細はこちらをご覧ください。

インターネットを利用した授業での著作物等の利用

学校の授業の過程における著作物等のインターネット送信について、従来は、主会場・副会場間の授業同時中継を除き、個別に権利者の許諾を得る必要がありましたが、2020年4月28日の改正著作権法35条施行に伴い、同時中継以外のインターネット送信についても、個別の許諾を要することなく、市販CD等を含む著作物等をより円滑に利用できるようになりました(著作権法35条1項、102条1項)。ただし、上記の授業同時中継の場合を除き、教育機関の設置者は、SARTRAS(一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会)に対して補償金(授業目的公衆送信補償金)をお支払い頂く必要がございます(著作権法35条2項、102条1項)。

※詳細はこちらをご覧ください。「非営利教育機関によるインターネット上の音源使用について」

営利を目的としない著作物の上演等(権利制限)

著作権法では、公衆に対して著作物を上演、演奏、上映、口述などを行う場合で一定の条件を満たすときは、「営利を目的としない上演等」として「権利制限」の対象となり、権利者の許可なく著作物を利用することができます(著作権法第38条1項)。

条件とは、

  1. 既に公表された著作物であること
  2. 営利目的ではないこと
  3. 観衆・聴衆から入場料金等を徴収しないこと
  4. 出演者等に報酬を支払わないこと
  5. 著作物の題名、著作者の名称などの「出所の明示」をすること

教育機関での音楽CDのコピーについて詳細はこちらをご覧ください。

教育機関に適用される権利制限規定の詳細はこちらをご覧ください。

著作権教育ツールのご紹介

学校の授業等で「著作権」「著作権法」等への理解を深めていただくためのさまざまな教材をご用意しております。目的や用途に合わせてご自由にご利用ください。

守ろう大切な音楽を♪ パンフレット

音楽創造のサイクルと簡単な著作権法の説明やクイズ、エルマークの説明がのっています。

CDができるまで

当協会のホームページでもCDの製作過程をご覧いただけます。

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