不法録音物対策委員会

著作権思想の普及、不法録音物の撲滅、知的所有権の保護、音楽文化繁栄に寄与することを目的として、業界団体9団体で不法録音物対策委員会を発足致しました。今後も「不法録音物撲滅キャンペーン」を展開し、各種音楽教室やサークルの不法録音を失くすために、啓発活動を行ってまいります。

はじめに

1997年5月に発足した「カラオケ教室不法録音物対策委員会」が展開してきた「不法録音カラオケテープ撲滅キャンペーン」によって、これまでカラオケ教室で蔓延していた不法録音の減少、演歌・歌謡曲の復調の兆しと徐々にその効果が現われてきました。

この啓発活動はカラオケ教室の関係者だけでなく、その生徒などの一般大衆にまで及びました。特に著作権思想の意識が希薄な中高年層へのこの効果では絶大で、カラオケ対策委員会設立時にはどの教室もダビングしていたような風潮から、著作権意識が浸透してきた今日では「ダビングはいけない」「著作権を大切にしよう」という風潮に変わり、“カラオケ”を通じた著作権意識の高揚が見られてきました。

しかしながら、IT革命に代表されるここ近年の技術革新には目を見張るものがあり、その影響は確実に一般生活にも波及してきています。特に録音機器の発達によって特段の技術を要すること無く、誰でも容易に音源の複製を行うことが可能になり、不法録音物が蔓延するという事態を招き兼ねません。

それはカラオケ教室のみでなく、音楽を使用して活動する各種音楽教室やサークルにもそのような違法な行為による不法録音物が蔓延していることが、中高年齢者が集まり活動している公民館や集会所などの実態から明らかになりました。

そこで、今までカラオケ教室という一部の教室を対象とした活動から音楽利用が不可欠な各種音楽教室まで、その活動範囲を拡大し、著作権思想の普及・啓発・改善、警告、摘発活動の支援を推進しもって不法録音物の撲滅、知的所有権の保護、日本の音楽文化繁栄に寄与することを目的として、共通な立場に立つ業界団体9団体で不法録音物対策委員会を発足致しました。

概要

設立 2001年4月
目的

1997年5月7日に発足した「カラオケ教室不法録音物対策委員会」の4年間に亘るカラオケ教室に対する著作権思想の普及・啓発、改善指導・警告等活動によりカラオケ教室における不法録音物の減少という顕著な成果をあげることができました。

しかしながら、一方では録音機器の発達により誰もが容易に録音ができ、それに合わせて不法録音も幅広く行われるようになっており、今後ますます著作権思想の普及・啓発活動の重要性が増しております。

そこで、今後は、今までのような一部の教室を対象とした活動から、音楽利用が不可欠な各種教室における不法録音まで、その活動範囲を拡大し、著作権思想の普及・啓発、改善指導・警告、摘発活動の支援を推進し、もって不法録音物の撲滅、知的所有権の保護、日本の音楽文化繁栄に寄与することを目的に共通の立場にある業界団体により発足されました。

役員
委員長 田口幸太郎(日本レコード協会 専務理事)
副委員長 大橋健三(日本音楽著作権協会 常務理事)
啓発対象 カラオケ教室や同好会・愛好会、カラオケ喫茶・スナック等、舞踏教室や民謡教室(新舞踏含)の関係者(講師・先生や世話人、生徒など)や団体等、または地方公共団体及びその関連団体の施設責任者・担当者など。
構成団体
一般社団法人日本音楽著作権協会
実演家著作隣接権センター(CPRA)
一般社団法人日本レコード協会
一般社団法人音楽出版社協会
一般社団法人日本歌手協会
日本音楽作家団体協議会
日本レコード商業組合
全国レコード卸同業会
一般社団法人日本楽譜出版協会
組織と役割 委員会は業界9団体で構成する本委員会の元に、事業計画等を具体的に検討する実行委員会(JASRAC、CPRA、RIAJで構成)を設け、更に実行委員会内に設置された広報プロジェクトと調査プロジェクトによって「不法録音物撲滅キャンペーン」を展開します。

各種音楽教室やサークルへの対策

舞踊教室や民謡教室、演歌などをバックに踊る新舞踊、また音楽をバックに踊る社交ダンスなどの各種ダンス教室やエアロビクスなどの教室で先生が教材として、権利者に無断で市販の商品の音源を元にしてカセットテープやMDなどに録音する行為や歌詞・楽譜カードを無断で複製するなどの行為が蔓延しております。また、新舞踊などでは先生が市販商品の音源をバックに模範演技を家庭用ビデオテープに録画などしており、その行為も蔓延していると思われ、今後このような教室にも啓発・指導・警告及び悪質な教室に対しての摘発の支援などを行います。

以上、今後も啓発活動である集中キャンペーン「不法録音物撲滅キャンペーン」を展開し、各種音楽教室やサークルの不法録音を失くすために、啓発活動を展開して参ります。

不法録音と著作権法等

各種音楽教室やサークルにおける不法録音は、著作権法に定める「著作者の権利」「歌手やアーティストなどの実演家の権利」「レコード製作者の権利」を侵害する行為で同法の罰則の対象になるほか民事上、刑事上の責任も問われます。

まず、著作者の権利の最も基本的なものとして「複製権」があります。さらに著作物の同一性を保持し、著作者の意に反した改変を受けない権利として「同一性保持権」があります。一方、実演家やレコード製作者の権利としては、それぞれ「録音/録画権」と「複製権」があります。すなわち、実演家にはその実演を録音/録画することについて、またレコード製作者にはレコードを複製することについて、それぞれ排他的な権利が与えられています。したがって、3権利者の許諾なく、市販のCDやミュージックテープなどの音(私的使用の為に録音する場合を除く)をカセットテープなどに録音したり、ましてやそのコピーテープなどを販売したりする事は、明らかに違法行為となります。そしてこれらの権利の侵害に対しては、民事上の救済措置のほかに刑事上の制裁措置が定められています。特に、著作権法第119条1号では「著作人格権、著作権、出版権または著作隣接権を侵害した者は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処す」ことを定めています。

著作者の権利 著作者人格権(同一性保持権) 第20条
著作権(複製権) 第21条
保護期間(創作の時から著作者の死後50年) 第51条
権利制限規定(私的使用の為の複製) 第30条
目的外使用 第49条
著作隣接権者の権利 実演家の権利(録音権・録画権) 第91条
レコード製作者の権利(複製権) 第96条
実演の保護期間(その実演を行った時から50年) 第101条
レコードの保護期間(その音を最初に固定した時から50年) 第101条
権利制限規定(私的使用の為の複製) 第102条第一項
目的外使用 第102条第四項
権利侵害に対する措置 ・民事上の措置
1. 差止請求権 第112・116条
2. 損害賠償請求権 第114条・民法709条
3. 損害立証書類提出命令 第114条の2
4. 不当利益返還請求権 民法703条
5. 名誉回復等の措置の請求権 第115・116条
・刑事上の制裁措置
1. 5年以下の懲役又は500万円以下の罰金(併科) 第119条1号
2. 自動複製機器を使用させる場合 第119条2号
- 侵害とみなす行為(民事上・刑事上) 情を知って頒布し、または頒布の目的をもって所有する行為
- 親告罪 第123条・刑事訴訟法第235条

法律名の無いものについてはすべて著作権法。