CDレンタル店調査 2009年度

当協会では、全国のCDレンタル店の実態調査を、毎年当協会調査員による訪店調査により実施している。26回目となる今年は、店舗規模・業態を勘案したサンプル調査方式で975店の訪店調査を行った。

2009年の特徴

1.店舗大型化傾向止まる(図-1参照)

平均店舗面積(他の売場を含む)は年々拡大を続けてきたが、今回初めて縮小に転じた(前年比3%減)、CDレンタルコーナー(同3%減)、DVDとビデオレンタルコーナー(同±0%)、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフトの販売などその他コーナー(同7%減)となっている。

 

2.レンタル用CDアルバム在庫の増加(図-2参照)

アルバム在庫は引き続き増加し、総在庫数・1店舗あたりの在庫数ともに増加した。一方、シングル在庫の減少も続いている。これにより、1店舗あたりの在庫数は増加したが、総在庫数は、ほぼ前年並となっている。総在庫数のシングル・アルバム比は昨年の9対91から8対92になった。

 

3.書籍レンタル兼業店の増加

書籍レンタル(コミックを含む)の兼業店が大幅に増加し、取扱店舗が全体の31.7%(前年24.2%)になった。

店舗数2.6%減少

CDレンタル店舗数は1989年末の6,213店をピークに毎年減少を続け、2009年6月末現在で2,893店と昨年末比2.6%減、'89年末対比で53.4%減となった。
また、今年1月から6月までの間に、新規開業店(含む閉鎖店舗の買収、M&A)は189店、閉店は265店と、454店が入れ替わっている。(図-3参照)

CDレンタル店の兼業状況

書籍レンタルの兼業が大幅に増加し、その他は昨年とほぼ同じであった。兼業状況の内訳を見ると、中古CD販売97.7%(前年97.2%)、中古CD買取店27.1%(同31.8%)、書籍販売51.9%(同55.5%)、ゲームソフト販売44.8%(同49.5%)、コミックを含む書籍レンタルは31.7%(同24.2%)となっている。
なお、在庫のDVD化が進む映像レンタルについて、ビデオテープの取扱店舗が全体の63.5%(前年80.4%)と大幅に減少した。また、映像レンタルの在庫比率でビデオテープは、4%にまで落ちてきた。(表-1参照)

  兼業率 在庫比率
ビデオ:DVD
ビデオテープ DVD
2009年 63.5% 99.8% 4:96
2008年 80.4% 99.8% 11:89
2007年 98.4% 99.6% 28:72

CDレンタル店の在庫

ここ数年の傾向として、レンタル用CDの在庫数はシングルが減少、アルバムが増加し、全体はほぼ横ばいである。
内訳を見ると、シングルは3,250千枚で前年比12.7%減、アルバムは36,860千枚で1.0%増となった。(図-2(a)参照)
また、1店舗当りの平均在庫数で見ると、シングルは1,120枚で前年比8.2%減、アルバムは12,740枚で6.5% 増となり、シングル・アルバムの合計在庫数は13,860枚で5.2%増となっている。(図-2(b)参照)
なお、CDの在庫規模による店舗数分布を見ると、小型店(4千枚未満)は2.8%(前年比0.1ポイント減)、中型店(在庫数4千枚~1万枚未満)は25.9%(同4.7ポイント減)、大型店(1万枚~1万5千枚未満)は33.8%(同1.3ポイント減)、超大型店(1万5千枚以上)は37.5%(同6.2ポイント増)となり、大型店の比率が上がっている。(図-2(c)参照)
ビデオレンタル兼業店のビデオテープの在庫数は、1店当り平均2,310本(前年比44%減)と大幅に減少した。
一方、DVDレンタル兼業店のDVD在庫数は、1店当り平均31,910枚(前年比22%増)となり、ビデオテープとDVDの入れ替えがさらに進んでいる。

まとめ

CDレンタル店の店舗数の減少は続いているが、大型在庫店の比率が上がっているため、店舗面積・在庫数では、ほぼ横ばいで推移している。
在庫内訳では、CDはシングル対アルバム、映像はビデオ対DVDの在庫比率が大きく変わり、コミックを含む書籍レンタルの取扱店舗が大幅に増える等、CDレンタル店は、市場のニーズに合わせて変化していることがわかる。