CDレンタル店調査 2010年度

当協会では、全国のCDレンタル店の実態調査を、毎年当協会調査員による訪店調査により実施している。27回目となる今年は、前回同様に店舗規模・業態を勘案したサンプル調査方式で960店(全店2,795 店: 2010年6月末現在)の訪店調査を行った。

2010年の特徴

1.店舗数2.3%減少

CDレンタル店舗数は1989年末の6,213店をピークに毎年減少を続け、2010年6月末現在で2,795店と昨年末比2.3%減、’89 年末対比で55.0%減となった。 また、今年1月から6月までの間に、新規開業店(含む閉鎖店舗の買収、M&A)は124店、閉店は189店と、313店が入れ替わっている。(図-1 参照)

 

2.レンタル用CDアルバム在庫の増加

アルバム在庫は引き続き増加し、総在庫数・1店舗あたりの在庫数ともに増加した。一方、シングル在庫の減少も続いている。これにより、1店舗あたりの在庫数は増加したが、総在庫数は、ほぼ前年並となっている。総在庫数のシングル・アルバム比は昨年の8対92から7対93になった。(図-2 参照)

 

3.平均店舗面積10.1%増

平均店舗面積は、前年比10.1%増となり、内訳ではCDレンタルコーナーが6.2%増、DVDとビデオレンタルコーナーが 4.8%増、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフトの販売などその他コーナーが14.4% 増となっている。(図-3 参照)

 

4.CDレンタル店の兼業状況

書籍レンタルの兼業が大幅に増加し、その他は昨年とほぼ同じであった。兼業状況の内訳を見ると、中古CD販売97.1%(前年97.7%)、中古CD買取店25.5%(同27.1%)、書籍販売51.0%(同51.9%)、ゲームソフト販売47.7%(同44.8%)、コミックを含む書籍レンタルは40.2%(同31.7%)となっている。
なお、在庫のDVD化が進む映像レンタルについて、ビデオテープの取扱店舗が全体の45.8%(前年63.5%)と大幅に減少した。また、映像レンタルの在庫比率でビデオテープは、3%にまで落ちてきた。 また、前回から調査を始めたブルーレイディスクについては在庫数は少ないながら、取扱店舗が全体の94.7%(前年85.2%)と大幅に増加した。(表-2 参照)

  兼業率 在庫比率
ビデオ:DVD
ビデオテープ DVD ブルーレイ
2010年 45.8% 100.0% 94.7% 3:97
2009年 63.5% 99.8% 85.2% 4:96
2008年 80.4% 99.8% - 11:89

※ブルーレイは2009年から調査開始

 

5.CDレンタル店の在庫

ここ数年の傾向として、レンタル用CDの在庫数はシングルが減少、アルバムが増加し、全体はほぼ横ばいである。
内訳を見ると、シングルは2,730千枚で前年比15.9%減、アルバムは38,740千枚で5.1%増となった。(図-2(a)参照)
また、1店舗当りの平均在庫数で見ると、シングルは980枚で前年比12.5%減、アルバムは13,870枚で8.9%増となり、シングル・アルバムの合計在庫数は14,850枚で7.1%増となっている。(図-2(b)参照)
なお、CDの在庫規模による店舗数分布を見ると、在庫数4千枚未満の小型店は2.1%(前年比0.7ポイント減)、4千枚~1万枚未満の中型店は20.9%(同5.0ポイント減)、1万枚~1万5千枚未満の大型店は34.0%(同0.2ポイント増)、1万5千枚以上の超大型店は43.0%(同5.5ポイント増)となり、大型店の比率が上がっている。(図-2(c)参照)
ビデオレンタル兼業店のビデオテープの在庫数は、1店当り平均2,120本の前年比8%減となった。
一方、DVDレンタル兼業店のDVD在庫数は、1店当り平均37,560枚の前年比18%増となり、ビデオテープからDVDへの入れ替えが一層進んでいる。

まとめ

960店舗(全店2,795店舗中)のサンプル調査の結果であるが、CDレンタル店の店舗数の減少は続いているものの、大型在庫店の比率が上がっているため、店舗面積・在庫数では、ほぼ横ばいで推移している。
在庫内訳では、CDはシングル対アルバム、映像はビデオ対DVDの在庫比率が大きく変わり、コミックを含む書籍レンタルの取扱店舗が大幅に増える等、市場に合わせたCDレンタル店の変化がわかる。