CDレンタル店調査 2006年度

当協会では、全国のCDレンタル店の実態を把握するために、毎年全店調査を実施しています。
23回目となる2006年も、4月から7月にかけて、当協会調査員による全国3,215店の訪店調査を行いました。

2006年の特徴

1.店舗の大型化(図-1)

店舗全体の面積(他の売場を含む) (前年比5.5%増)、CDレンタルコーナー(前年比3.9%増)、DVDとビデオレンタルコーナー(前年比4.5%増)、新品・中古CD販売、書籍、ゲームソフトの販売などその他コーナー(前年比8.6%増)と、全ての項目について大型化が進んでいます。

 

2.レンタル用アルバム在庫の拡大(図-2)

シングルの減少傾向に対し、アルバムの増加は続いています。総在庫数のシングル・アルバム比は昨年の17対83から15対85になりました。

 

3.ビデオテープとDVDの逆転(表-1)

DVDレンタルの調査を開始した2000年以来、初めて兼業率・在庫数ともにDVDがビデオテープを上回りました。(今回からアダルトを除いた調査)

  兼業率 在庫比率
ビデオ:DVD
ビデオテープ DVD
2006年 99.1% 99.4% 49:51
2005年 99.4% 99.3% 70:30

店舗数1.2%減少

CDレンタル店舗数は1989年末の6,213店をピークに毎年減少を続け、2006年7月末現在で3,197店と前年比1.2%減、89年対比で49%減となりました。
また、今年1月から7月までの間に、新規開業店は202店、閉店は230店と、432店が入れ替わっています。(図-3)

CDレンタル店の面積と兼業状況

先述の通り、ここ数年の傾向である店舗の大型化は今年も続いています。(2006年の特徴1)
兼業の状況(複数回答による集計)は昨年とほぼ同じ状況となっています。内訳を見ると、中古CD販売97.9%前年96.8%)、中古CD買取店31.2%(前年31.5%)、書籍販売52.0%(前年51.4%)、ゲームソフト販売48.4%(前年50.2%)、となっています(ビデオ・DVDについては表-1)。また、コミックを含む書籍レンタルの兼業店は272店(全体の8.5%)です。
一方CDレンタル専業店は9店(全体の0.3%)、また、AVレンタル専業店(CDとビデオ・DVDのレンタルのみ)642店(全体の20.0%)と専業店についても昨年から大きな変化は見られません。

CDレンタル店の在庫

レンタル用CDの総在庫数は97年をピークに減少傾向にありましたが、2004年より増加に転じ、今年もシングル・アルバムを合わせて36,300千枚と前年比8.2%増になっています。内訳を見ると、シングルは5,548千枚で5.0%減となっていますが、アルバムは30,752千枚と前年比10.9%増です。総在庫数はピーク時の97年対比で総在庫19.4%減、うちシングルは73.2%減、アルバムは26.6%増となっています。(図-2(a))
また、1店舗当りの平均在庫数で見ると、シングルは1,726枚と前年比3.8%減ですが、アルバムは9,565枚と12.3%増となり、シングル・アルバムの合計在庫数は11,291枚で9.5%増となっています。(図-2(b))
なお、CDの在庫規模による店舗数分布を見ると、小型店(4千枚未満)は前年比1.4ポイント減の5.2%、中型店(在庫数4千枚~1万枚未満)は6.7ポイント減の42.3%、大型店(1万枚~1万5千枚)は2.2ポイント増の31.5%、超大型店(1万5千枚以上)は5.9ポイント増の21.0%となり、在庫1万枚以上の店舗が半数を超えています。(図-2(c))
ビデオレンタル兼業店のビデオテープの総在庫数は42,133千本、1店当り平均13,105本です。
一方、DVDレンタル兼業店のDVD総在庫数は43,200千枚、また1店当り平均でも13,437枚となっています。(今回からビデオ・DVDともアダルトを除く)

まとめ

店舗数の減少に反して店舗面積・在庫数が増加しているのは、既存中小店の廃業と大手チェーン店・フランチャイズ店の出店・在庫拡充が進んでいることが要因といえます。
パソコンや携帯電話への音楽配信など、ユーザーの楽しみ方が多様化していますが、CDレンタル業は大型化、寡占化する中で、全体として安定した市場になっているといえます。