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著作権法によるレコード製作者の保護

レコード製作者の権利と保護の内容

自分が録音した原盤やその原盤から複製した音楽CDなどに収録されている音(レコード)を他人が許可なくコピー(複製)することを止めることができる権利で、レコード製作者に与えられた最も基本的な権利です。一部の例外を除き、音楽CDをレコード製作者の許可なく複製することはできません。例外として規定されているのは、「私的使用のための複製」や「学校その他の教育機関における複製」などで、こうした場合に限り、レコード製作者の許可を得ずに複製することができます(「権利制限」)。


自分が録音した原盤やその原盤から複製した音楽CDなどに収録されている音(レコード)を他人が許可なくネットワーク上にアップロードする(公衆に対して送信可能な状態にする)ことを止めることができる権利です。音楽CDなどに収録されている音を、レコード製作者の許可なく、個人のホームページやインターネットラジオなどで送信可能化することはできません。なお、著作権者公衆送信権という権利を有しており、その権利の中に送信可能化も含まれます。


商業用レコードの二次使用」とは、放送局・有線放送局が市販用音楽CDなどの商業用レコードを放送・有線放送に使用することを意味します。商業用レコードを使った放送局・有線放送局は、実演家レコード製作者にそれぞれ二次使用料を支払わなければなりません。二次使用料を受ける権利は文化庁長官が指定した団体を通じてのみ行使することが可能であり、レコード製作者については、当協会(一般社団法人日本レコード協会)が指定団体として、レコード製作者のための二次使用料の徴収と分配を行っています(なお、実演家の指定団体は、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会となっております)。


自分が録音した原盤から作成されたレコードの複製物(例えば音楽CD)を他人が許可なく有償または無償で公衆に譲渡することを止めることができる権利です。しかし、一度適法に譲渡された複製物を再譲渡する行為は譲渡権の対象ではないため、レコード製作者の許可を受ける必要はありません。


自分が録音した原盤から複製された市販用音楽CDなどの商業用レコードを他人が許可なく公衆に貸与(レンタル)することを止めることができる権利です(著作権法第97条の3)。発売後1年間は貸与権(許諾権)により保護されますが、その後、保護期間終了までの49年間は報酬請求権により保護されます。

《参考》 ○非営利・無償の貸与に関する権利制限(著作権法第38条第4項、第102条第1項)図書館等が行う無料貸出のように、営利を目的とせずかつ貸与料金を徴収しない場合は、権利者の許可なく音楽CDを貸与することができます。ただし、企業が福利厚生目的で社員に無料で音楽CDを貸し出す場合は、企業自体が営利を追求するものである以上、営利行為の一環と判断されるため、レコード製作者の許可なく行うことはできません。


<私的録音録画補償金の導入の背景>
私的使用のための複製」(個人的にまたは家庭内か家庭内に準じる範囲で使用する目的で行うコピー)については、著作権著作隣接権が制限されており、原則として権利者の許可を得ずに複製できることになっています。現行著作権法が公布された1970年は、録音録画機器も各家庭に普及していませんでしたが、昨今の録音録画機器の進歩・普及により、家庭内等における音楽CD等のコピーが広く行われるようになり、権利者の利益が著しく害される結果となりました。特に、デジタルコピーについては、品質の劣化が発生せず、オリジナルと同品質の複製物ができることから、権利者は、私的録音録画によって権利者が被る損失を補償する制度の創設を強く求め、1992年の著作権法改正で「私的録音録画補償金制度」の導入が実現しました。

政令で指定されたデジタル方式の録音・録画機器(CDレコーダー、DVDレコーダー等)を使って、私的使用のために録音録画する場合、その人は私的録音録画補償金を著作権者実演家レコード製作者の三者に支払わなければなりません。しかし、個人が家庭内で録音録画をするたびに、多数の権利者に私的録音録画補償金を個別に支払うことは不可能なため、権利者は、文化庁長官が指定する団体(指定管理団体)を通じて補償金を収受しています。


コピーガード等の技術的保護手段を保護するため、著作権法は、以下の行為を民事上の差止請求・損害賠償請求または刑事罰の対象として規定しています。

(1)(2)については、刑事罰として、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方が規定されており、(3)は民事上の差止請求・損害賠償請求の対象とされております。


権利管理情報とは、著作権著作隣接権に関する権利者名や利用許諾条件等の情報が電磁的方法で記録・送信されるものをいいます。著作権法は以下の行為を権利侵害行為とみなし、民事上の差止請求権や刑事罰の対象として規定しています。

(1)~(3)の何れについても、営利目的で行われる場合は、刑事罰として、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方が規定されている他、営利、非営利に関わらず民事上の差止請求・損害賠償請求の対象とされております。


<音楽レコード(音楽CD)の還流防止措置導入の背景>
音楽レコードの還流防止措置は、海外で製造・販売された日本の音楽CDが日本国内に還流することによる関係権利者の経済的利益の損失を防ぐとともに、我が国の音楽文化の積極的な海外普及を促進することを目的として、2004年の著作権法改正により導入されました。
アジア諸国では、日本の物価水準から判断すると非常に安価に音楽CDが販売されておりますが、現地で安価に販売される日本の音楽CDが日本国内に還流した場合、作詞・作曲家、アーティストやレコード製作者などの音楽CDの権利者は多大な経済的損失を被り、ひいては日本音楽の創造サイクルに大きな影響を及ぼすことになります。
2005年1月1日に音楽CDの日本国内への還流を防止する措置が施行され、以下の(1)から(5)の要件をすべて満たす輸入等は、権利侵害行為とみなされるようになりました。

なお、改正法の施行日より前に輸入され、同法施行の際に国内頒布目的で所持されている国外頒布目的商業用レコード(在庫品)については、還流防止措置は適用されません。

国外頒布目的商業用レコードの還流防止措置の詳細はこちらをご覧ください。
「音楽レコードの還流防止措置」

権利侵害に対してレコード製作者の取り得る措置

権利侵害に対する民事的手段及び刑事的手段による救済措置が著作権法に規定されています。

侵害態様等に応じて以下の罰則が適用されます。